慶應SFC総合政策学部合格体験記 まっちょさんの場合
<お名前>
まっちょ
<プロフィール>
福島県の県立高校出身です。
浪人で予備校に通っていました。
受験学部 = 総合政策・環境情報学部
<受験形態・合格年度>
受験学部 = 総合政策・環境情報学部
合格学部 = 総合政策学部
合格年度 = 2015
<予想得点>
総合政策
受験科目 = 英語および数学
英語得点 = 8割
数学得点 = 2-4割
小論文得点 = 7-8割
環境情報学部
受験科目 = 英語
英語得点 = 7割
数学得点 = 6割
小論文得点 = 5-6割
高校では理系でしたが、文転して私立文系の数学選択でした。
国語 150/200
数1A 85/100
数2B 76/100
英語 176/200
リスニング 50/50
<併願校>
国際基督教大学 教養学部 一般入試 A方式
横浜市立大学 国際総合科学部 国際教養系 B方式
<慶応SFCを受験するまでのいきさつ>
私が最初にSFCを志望した動機は入試科目の少なさに魅力を感じたという不純なものでした。「英語と小論文なら私でも合格できるのではないか」という可能性を感じたのです。しかし、現役時代は英語選択でしたが普通に足切りにあって落ちたことと思います。このような不純な動機で志望したわけですが、SFCについて調べていくうちに、学際性のある学びのカリキュラム、言語科目とプログラミング科目の充実性、自由なキャンパスの雰囲気に魅力を感じはじめ、SFCに対する志望動機も変わりました。また、私は文理隔てずに学際性のある学びが実現できる大学を希望していたことも志望動機の1つです。
<慶応SFCへの期待>
SFCは都会からかなり離れた場所に位置していますが、勉強・研究に専心できる最高の環境が整っていると思います。これを生かすも殺すも自分次第だと思っています。よってSFCに期待することとしては学生が積極的に授業に参加できる雰囲気です。しかし、大学に期待する以上に自分で努力していくことだと思います。周りに流されずに、やりたい研究に専心していきたいと思います。
-入試対策-
<英語>
SFCの英語で重要になる能力は語彙力、読解力、速読力の3点だと思います。これらがあってはじめてSFCの英語に取り組むことができると思います。はじめに語彙力について、私はターゲット1900を最後までみっちりやりこんで単語の基礎力をつけてからパス単準1級をやりこんでいました。加えて早慶上智の英単語もやっていましたが、余裕のある人だけでいいと思います。ターゲット1900レベルの単語帳を1冊みっちりやりこんでおけば、学科の足切り基準点を越える読解に支障はないと思います。また単語の語源を覚えてしまうのも効果的です(「-ject」は「投じる」の意味、など)。とにかく語彙力に関しては地道に1冊の単語帳をやりこむことが基盤となってくると思います。次に読解力についてです。まず、ネクステなど何でもよいのでしっかりやりこみ、基本的な文法事項は押さえておく必要があります。ネットでは「SFCの英語には文法の知識など必要ない。語彙力を高めることが大事だから単語だけ勉強すればよい。」というような言葉を目にしますが、まったく文法事項ができていなければ長文読解に取り組むことはできません。時間のある人は文法参考書を1冊、夏までにしっかりやりこんでください。冬までに文法事項が完全に頭に入っているレベルになるのが理想的です。やはり文法・語法は英語の長文を読解するうえで土台となることなので、しっかりやりこんでおく必要があると思います。私は、夏までネクステを繰り返し反復学習しつつ、予備校の文法の講座や演習で自分の足りない知識を確認し、ネクステに戻り、書き込んでいくというやり方で学習していました。このおかげで長文読解の土台は確かなものにできたと感じています。それとSFC英語にも文法・語法に関する問題は出題されることがあるので、そのような基礎的な問題は決して取りこぼさないようにしていく上でも、文法・語法の学習は重要だといえるでしょう。文法・語法をしっかり学習したうえで、読解力を向上させるために、英文解釈の参考書に取り組んでおくと良いでしょう。私はポレポレ英文解釈を使っていました。また、余力のある人はやっておきたい長文シリーズなどに取り組み、SFC英語の読解の下準備をしておくとよいかもしれません(私は500、700、1000を全てやりました)。もちろん直前期には過去問演習を優先してほいですが。最後に速読力についてです。これには、読解力がベースになると感じました。構文や文法で基礎がある程度できてきてからです。
速読力を身につけるために、音読をお勧めします。1読しただけで文意が分かるよう、日本語訳を読んで大意を抑えてから音読していくと良いと思います。私は速読英単語 上級編とリンガメタリカを音読用に使っていました。やり方としては、まず本文を1読してから日本語訳を読み大意をつかみます。次に英文を3回音読します。1日に3題読み、3日後に同じ文章を同じように音読していきます。これを3回繰り返します。つまり1つの文章を9回読むことになります。回数はあくまで目安です。このセットをずらして毎日音読していました。(ABC→DEF→GHI→ABC→DEF→GHI→ABC→DEF→GHI)とにかく英文を直読直解しながら英文を読むことです。そして音読の究極のポイントは、毎日続けることだと思います。私は毎日寝る前に音読する習慣を7月の終わりからずっと続けていました。音読のおかげで、模試で安定して高い偏差値を維持することができたといっても過言ではありません。音読の効果を実感するには時間がかかりますが、絶対に英文読解速度という点でやっていない人と差をつけることができます。以上、3点の力をつけたうえでSFCの過去問演習にあたってみてください。はじめは点が取れなくても、上記3点の力があれば7割以上は得点できると思います。(英語選択者は7割あれば足切は回避できると思われます)
私はSFCの過去問は両学部合わせて20年分以上取り組みました。最終的には過去問演習で慣れていくしかありません。センター試験を受ける人はセンター明けから本腰を入れて過去問の演習に取り組むとよいでしょう。私はセンター明けから毎日過去問の英文を2題ずつ解いていました。また、過去問演習では解答して丸つけをして終わりにしてしまうのではなく、間違えた問題の自己分析をしておくと非常に効果的です。私は間違えた問題に関して、なぜ間違えたのかを文章化してその都度メモしていました。このようにして書き残しておくことで試験前に振り返ることができますし、なにより「自分はここまでやってきたのだから大丈夫」という気持ちになれます。本番前のメンタルは非常に大事なので、これはかなり効果的でした。
<数学>
数学について、私は1A2Bの青チャートを使って基礎的な問題と受験の典型問題をスラスラ解けるようにしていました。加えて、文系数学 入試の核心を使って問題の演習量を増やしていました。ポイントはスラスラ解けない問題を繰り返し解きなおすことだと思います。反復学習です。SFC数学では、毎年1題、受験の典型問題が出題されるので、これを取りこぼさないよう、典型問題の演習は問題集などを使ってしっかり定着させておくべきです。また(来年以降の傾向はどうなるかわかりませんが)SFC数学には、ほぼ毎年、(赤本の言葉を借りると)ユニークな問題と少し特殊な数列の問題が出題されます。これらの対策は過去問演習しかありません。解答を読んでもわからない問題は積極的に先生に質問しに行きましょう。私は10月頃までは上記の問題集や予備校のテキストの復習をやっていて、10月以降にSFC数学も少しずつ取り組みはじめ、センター試験の過去問を中心に勉強していました。センター直前期はセンター試験の過去問に注力し、SFC数学に注力し始めたのはセンター明けからでした。SFC数学はかなり広範囲から出題されるため、苦手分野はなくしておくことがベストです。その意味でセンター試験の対策も少しは役に立ったかなと思います。
<小論文>
SFC入試において、小論文の対策は非常に重要です。私はセンター試験が明けてから毎日過去問を解いて、小論文を書いていました。小論文で得点するために1番大事な力は「自分の考えを文章に分かりやすく書ける力」です。私はこの力をつけるために小論文を何回も書きまくりました。1度解いた問題でも、制限時間を80分にし、構成を立てる段階からやり直して、とにかく1つの文章を書き上げることを重点に取り組んでいました。SFCの小論文では毎年1000字〜2000字の文章を時間内で書くことを要求されるので、時間配分には気を付けて演習しておくべきでしょう。また、小論文を添削してくれる人がいたら、積極的に添削してもらうべきです。私は予備校の先生に添削してもらい、意見やアドバイスもらっていました。添削してくれる人が身近にいなかったら、Twitterなどを利用して相互添削をするなどの手段があります。とにかく自分の書いた文章が他の人からどのように受け止められるのかについて知っておくことで、より分かりやすい文章に改善していくことができます。自分1人で自己添削するときは徹底的に自己批判をすることです。もちろん、添削したものは必ず書き直すことが重要です。
<その他受験に関するアドバイス>
以下に、私がSFC対策として使った参考書や本を紹介します。 ◎英語
Next Stage
ターゲット1900
パス単準1級
早慶上智の英単語
解体英熟語
英熟語ターゲット 1000
速読英単語 上級編
リンガメタリカ
やっておきたい長文(500,700,1000)
精読のプラチカ
速読のプラチカ
パラグラフリーディングのストラテジー(1, 2)
中澤の難関大攻略 徹底英語長文読解講義
思考訓練の場としての英文解釈(1)
慶應SFCの英語
河合塾 慶應大の英語(文・SFC)
総合政策 過去問12年分
環境情報 過去問12年分
◎数学
青チャートI A
青チャートII B
文系数学 入試の核心
センター試験 過去問24年分(I A, II Bそれぞれ)
慶應経済 過去問5年分
総合政策 過去問12年分
環境情報 過去問12年分
◎小論文
日本の論点
大人のための<読む力・書く力>トレーニング
創発する社会
試験中に気を付けることとしては、1番に時間配分です。これは過去問演習を通して身につけていきましょう。それと本番は試験開始までかなり時間があったように感じました。演習の段階から、自分がしっかり集中できるような状態を作れるようにしておくことが大切です。自分は試験5分前にメガネを装着し1分前にペンを持つという流れを作っていました。
勉強法に関しては英語の項目で書いたように、あらゆる過去問演習において、解きっぱなしにせず、間違えた問題に対し、なぜ間違えたのかを分析して文章化しておくことが大切です。これは英語のみならず、他教科でも同様です。また、直前期の過ごし方ではメンタルが非常に大切になってきます。「受かるかなぁ」「だめかもしれない」などと言って鬱になってはいけません。直前期こそポジティブ思考が必要です。また、本番で難しい問題が出てきたらニヤニヤ笑ってみましょう。私はこれで乗り越えられた…気がしますw
<最後に一言>
試験後の自己採点で発覚したのですが、私は総合政策の数学で計算ミスをやらかしていたらしく、英数選択者に課された3つの大問のうち2つが壊滅的な正答率でした。これは過去問演習でも取ったことのない正答率で、私は落ちたことを確信していました。それにもかかわらず合格できたということは、SFC入試は小論文で逆転が十分可能であるということの証明に他なりません。絶対にSFCに行きたいというそこのあなた。小論文を書いてください。書きまくってください。とにかく自分の考えを文章で分かりやすく伝えられるように訓練してください。学科試験で5-6割を得点できれば小論文で逆転可能です。圧倒的小論文で圧倒的合格をつかみ取ってください。