慶應SFC 総合政策環境情報合格体験記 BUCHOの場合
<お名前>
BUCHO
<プロフィール>
国際基督教大学入試対策サイト「BUCHOのICU受験対策」及び
早稲田大学国際教養学部入試対策サイト「WasedaSILS.com」を主催
ICU在学中はThe Weekly GIANTS(新聞部)及びICU Debating Society(英語ディベート部)に所属
<受験形態・合格年度>
2010年度総合政策学部一般入試合格
<予想得点>
英語:8割
小論:7-8割
<併願校>
なし
<慶應SFCを受験するまでのいきさつ>
大学改革のモデル校であり、情報寄りの学際的大学のイメージがあるなど、慶應SFC(総合政策学部・環境情報学部)は高校時代から憧れていた。またICU受験対策サイトを10年ほど運営しており、慶應SFCとの併願の需要が多かった。どちらも非暗記系の試験であり、入学後に比較的学生が勉強する環境があることなど、共通点が多く、対策する価値を感じた。
<慶應SFCへの期待>
(入学するとしたら)ネット関係の授業、特にWebと社会のあり方、オンライン教育
-入試対策-
<英語>
(対策)
ICU対策と同じく徹底的に過去問を解きまくる作戦。総合政策の過去問を20年分(1990〜2009年)解いた。 さすがに20年やってしまうと癖が出てくる。併せて環境情報の過去問の相当数をこなした。
(試験)
実際の試験では大問1が心理学的内容、大問2が美術館に関するものであったので、大問2の方が解きやすいだろうと思い、大問2から解くことにした。
しかし実際には大問2の方が解きにくく、内容は過去問の中では比較的難しく、また内容一致の問題が非常に解釈の余地の多い設問が多かった。
しかも試験開始30分くらいに前の席の受験生が貧乏揺すりを始めた。階段教室で前のイスとこちらの机がダイレクトにつながっており、振動がもろに伝わってくる。しかもずっとやっているわけではなく、たまにやられるので試験監督を呼んでの注意がしくにい。振動がひどいので問題冊子を手で持って問題を解いていた。しかし途中で足ゆすりが止まらなくなり、周りの受験生も気にし始めているのがわかったので試験官を呼び、注意してもらった。集中が必要な長文ではきつかった。結局大問2は十分に集中できず、問題も難しかったので、7割程度の出来だった。
気持ちを切り替えて大問1に戻る。こちらは「自分の親しみのないこと、コントロールできないことを人は恐れがちである」という内容の心理学的なトピック。特に子供を持つ親の感情に注目したものである。一見とっつきにくい文章だったが、読んでいるうちになかなかおもしろい内容であるとわかり、一気に50分ほどでゆっくりと解いた。こちらはあまりミスがなく、9割程度のでき。
解答速報でのリーディングの出来は全体で8割。大問2で集中できなかったことが合格発表までずっと気になってしょうがなかった。
<小論文>
(対策)
英語と同じく1990年からすべての過去問を解いた。とにかく量をこなし、慣れることが大切。
過去問20年分を解きまくり、書きまくり、出題の意図やメッセージ的なものをつかんでから臨むようにした。小論の勉強法は下記の通り。
.1.とにかく自力で一度答えを出す。最後まで書く。知識がない分野でも諦めない。むしろ過去問から知識を学ぶ。
2.メモをとりながら読む時間、構成を考える時間、書く時間など、なるべく事前のスケジュール通りにやる。
3.ペンで書かず、PCで打ち込む。鉛筆は20年分やるには時間がかかりすぎる。各年度1時間半以内に終わらせる。なお構成はペンで書く。ペンで書いた構成を元にPCに打ち込む。この際ペンでは不可能な手直しをしないようにする(文章を丸ごと入れ替えるなど)。基本的に一度打った内容は、最後の箇所以外は直さないように打つ練習をする。
4.最も自分の考えに近い解答例を選び、PCで打ち込む。パターンを覚える。
5.解答例を参考にし、最終的に自分なりの解答を仕上げる。できあがった論文を打ち出し、漢字を抜き出し、手で書けるかがあいまいな漢字のみペンで書く練習をする。漢字さえかければ手書きでも再現できる。
逆に手書きだとどうしも知っている表現以外を避けるようになってしまうので、一度PCで全力で文章を書いてから漢字や表現のみ手書きで見直すのは効率がよかった。
これを全過去問でやった。最初は小論独特の作法がわからず、まったく的外れな内容を書いてしまっていたが、10本ほど書いた時点で大体自分のパターンが確立してきた。残りの10本はパターンをアレンジする形で短時間でこなせるようになった。最終的には1本1時間程度で仕上げられるようになった(PC使用の場合)。
小論と一口に言ってもかなり種類があるので、SFC受験者はSFCの過去問を解きまくるのが一番よいと思った。
(試験)
介護従事者の離職問題が出題された。介護に関するトピックは特に準備していなかったが、若年層の離職は一般的な社会問題と言えるもので、書きやすかった(そもそも自分自身出版社を辞めた経験があった 汗)。
出題形式が変わり、より特定の内容を短い文章で答える形式になった。ここでも様々な構成を考え、文章化した経験が役立った。
形式の変化にやや戸惑ったが、自分なりに満足のいく答案が書けたと思う。
<その他受験に関するアドバイス>
・ICUの社会科学の過去問が総合政策の出題と重なるため、併願の効果が大きい。
・会場は藤沢ではなく、日吉。
・昼食は学食・カフェでは取れない。持ち込んだ弁当などを教室か外(=野外)で食べるしかない。広々とした学食はすべて試験官・学生スタッフ用に確保されており、一般受験生は立ち入れない。しかし本来は客である受験生に使わせるべきだと思う。3万5,000円の試験にしては待遇がよろしくない。
<最後に一言>
・英語ができればかなり読める試験かもしれない。